スマートデバイスアプリ開発のあれやこれや

2台目のMint60を作った話

経緯

 2年ほど前に初めて自作キーボードを作りました。

niwaka.hateblo.jp

 あれから暫く経ち,気が付いたら何かのタイミングで左側のProMicro(micro USB接続口)がもげてしまっていました。半田ごてやハンダ吸い取り機などを駆使して修理を試みたものの,みっしり入り込んだハンダと切断されたピンを除去することは出来ず,あえなく死亡確認――と相成りました。キーボード自体はとても使いやすく,期待していた通り肩こりにも効果大だったので,このタイミングで2台目を作ってみました。この記事では「壊れにくいMint60を作るためにはどうすればいいか?」という観点でポイントをまとめてみます。

必要なもの

  • 半田ごて ※温度調整可能なもの
  • ハンダ
  • ニッパー
  • プラスドライバー
  • リードベンダー
  • マスキングテープ
  • ブレッドボード

 上記は前回使用したものですが,今回は追加で以下も用意しました。

  • コンスルー(スプリングヘッダ)
  • エポキシ樹脂

 Mint60を長期で使う時に問題になるのは,やはりProMicroがモゲることです。そこで「モゲにくくする」「モゲても交換しやすくする」という2点を考慮して改善してみました。なお,それぞれ以下で購入しています。

yushakobo.jp

ProMicroをエポキシ樹脂で補強する

 これは「モゲにくくする」アプローチでの対策です。ProMicroのmicroUSBソケットの根本にエポキシ樹脂を爪楊枝で盛っていきます。エポキシ樹脂を扱うのも初めてだったのですが,固さとしてはやや緩い水飴ぐらいの感触で,爪楊枝の先に纏わりつかせて2,3回ソケットの根本に塗っていく感じです。最初はやや緩いので,多めに塗りすぎるとピンの穴まで流れる可能性があります。回数的には2度ぐらいでちょうどいいと思います。この作業を左右2度行います。完全に固まるまで丸1日放置しておきます。

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コンスルーをProMicroに装着する

 これは「モゲても交換しやすくする」アプローチでの対策です。Mint60のキットに入っているピンは,基板とProMicroの両方でハンダ付けするタイプなので,最悪ProMicroがモゲた場合は冒頭で私が失敗したプロセスをクリアーしないといけなくなります。ただ,それはいささか難易度が高いため,ここではコンスルーを利用します。コンスルーは,基板側にハンダ付けが不要なタイプのピンです。基板にグッと押し込んでやれば,接着なしで通電する仕様になっているので,何かあった場合にProMicroを容易に交換出来るというメリットがあります。※基板側の穴が摩耗するので無限に交換は出来ません。何かあった場合の保険として使えるぐらいにお考えください。

 Mint60も途中からコンスルー対応基板になったようです。

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 コンスルーの向きには要注意です。小窓が付いている方を外向きにした上で,小窓が近い方のピンをProMicroにハンダ付けしていきます。

他の手順はビルドガイドと同じ

 後は公式のビルドガイドと同じです。

eucalyn.hatenadiary.jp

完成品

 ハンダ付け2回目だったので綺麗に出来た。

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 今度は大事に使っていきたいです。

完成――と思ったら

 Fn + TabでLED切り替えが利かないことに気付きました。左側は正常にON/OFFおよびLEDのパターン変更出来るものの,右側は常に点灯しっぱなし。ProMicroを左右交換しても,右側のLEDテープのハンダ付けをやり直してみても直る気配がない。「そういえば1台目作ったときも似たような挙動になった記憶が……」と思い出しつつ,ダメ元で標準のキーマッピングを左右のキーボードに焼き込んだら直りました。スターターキットに含まれているProMicroのデフォルトマッピングが変なのかもしれません。

 直ったものの,Fn + TabでLEDをOFFにした時の挙動が1台目と違う点が気になる。左→右とタイムラグで消える挙動は前はなかったような。。。些細な点なので影響はないのですがね。